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空調分野エアフィルタQ&A

Q1.不織布とは何ですか?

不織布(ふしょくふ)とは読んで字のごとく“織らない布状のもの”をいいます。紙やフェルトなどの概念に有機化学と高分子化学の最先端技術を融合させた全く新しい素材といえます。用途に応じて化学合成繊維やその他の多種多様な素材を組み合わせて物理的、化学的特性を自由に設計することができます。日本バイリーンのエアフィルタは不織布からできています。

Q2.不織布フィルタの特徴にはどんなものがありますか?

ポーラス(多孔性)構造で繊維と接着剤と組み合わせにより、目の粗さをコントロールし、用途に応じて選択できます。エアフィルタに最適な“密度勾配”構造を持っています。エアフィルタの密度は、流入側から流出側になるに従って高くなるので、圧力損失が低く、高効率で塵埃保持容量が大きくなります。(品番によっては密度勾配を持たないものもあります。)

Q3.空気ろ過以外の用途に使用したいのですが?

日本バイリーンのエアフィルタは空気ろ過専用に作られています。空気ろ過用途以外には使用しないでください。

Q4.エアフィルタに難燃性はありますか?

はい、あります。燃焼性試験法はJACA No.11A-2003を採用し、評価しています。(一部難燃性なしのタイプもあります。)

Q5.大気中のエアロゾルにはどのようなものがありますか?

エアロゾルは自然界から発生するもの、生産活動から発生するものなど千差万別で限定することはできません。参考までに代表的な一般的なエアロゾルの種類と粒子径の関係の例とそれに対応するエアフィルタを参考までに掲載します。

[エアロゾルの種類]
[エアロゾルの種類]
Q6.エアフィルタを選定するにはどうすればいいですか?

エアフィルタを選定するには、エアフィルタを取り付ける空調方式や使用条件さらに関係法規による規制なども十分考慮する必要があります。また 1 .空気浄化の目的 2 .取り入れ空気量と粉じん濃度 3 .循環空気量と粉じん濃度 4 .室内の用途 5 .ファンの容量 6 .エアフィルタの性能 7 .維持管理費用 なども明らかにするほうがよいでしょう。エアフィルタの性能を示すもので特に重要なものに、圧力損失、効率、寿命があります。これらの項目を検討することで、最適なエアフィルタの選定が可能になります。

Q7.圧力損失とは何ですか?

エアフィルタに空気が通過するとき、フィルタが抵抗になってフィルタ入口の圧力とフィルタ出口の圧力に差が生じます。圧力差は測定ダクトに接続されたマノメータ(U字管マノメータ、傾斜マノメータなど)によって測定します。エアフィルタをある処理風量で使用したときのフィルタ入口の圧力(上流側静圧)とフィルタ出口の圧力(下流側静圧)の差を『圧力損失』といい、単位はPa(パスカル)で表します。従来使用していた単位(mmH20)とPaの関係は1mmH20=9.8Pa になります。

■圧力損失は、下記の式によって求められます。
■U字管マノメータを使用した試験方法例
U字管マノメータを使用した試験方法例
Q8.エアフィルタの性能試験にはどんなものがあるのですか?

エアフィルタの試験法にはさまざまな試験法があります。それぞれの試験に使用するダストや方法が異なるため、同じ捕集率80%の表示であっても、質量法80%のエアフィルタと計数法80%のエアフィルタでは、全く違うエアフィルタになります。試験方法は下記表にまとめました。

[エアフィルタの試験法]
規格 試験法 試験粉じん 適用例
ASHRAE
52.2-2012年

質量法
計数法(MERV)

ASHRAE試験粉じん
 72%アリゾナ街路じん
 23%カーボンブラック
 5%コットンリンター
KCL粒子

粗じん用フィルタ
および中高性能フィルタ

EN779
(2012)

質量法
計数法

ASHRAE試験粉じん
 上記
分散DEHS

粗じん用フィルタ
および中高性能フィルタ

JIS B 9908
(2011)

形式1
粒子捕集率
・0.3μm

多分散PAOまたは相当粒子

準HEPAフィルタ

形式2
粒子捕集率
(粒径別)
・0.4μm
・0.7μm

JIS 11種(関東ローム)

中高性能フィルタ

形式3
粒子捕集率
(質量法)

JIS 11種(関東ローム)

粗じん用フィルタ

形式4
粒子捕集率
・0.5~1.0μm

多分散PAOまたは相当粒子

電気集じん器

Q9.「ビル管理法」とは何ですか?

「ビル管理法」の正式名称は「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(略称:建築物衛生法)」で、厚生労働省より建築物の維持管理に関し、環境衛生上必要な事項等を定めることにより、建築物における衛生的な環境の確保を図り、公衆衛生の向上および増進に資することを目的として、昭和45年に制定されました。空気調和設備に関する維持管理基準は下表のようになっています。なお平成15年4月からホルムアルデヒドの量についての管理基準が追加されました。

1.対象建築
延床面積(m2

3000以上

用途

興行所、百貨店、集会所、図書館、美術館、遊技場、店舗、旅館 等

2.維持管理基準
(項目)

(基準値)

浮遊粉じん濃度(mg/m3

0.15以下

一酸化炭素の含有量(ppm)

10以下

二酸化炭素の含有量(ppm)

1000以下

温度(℃)

17以上 28以下
居室における温度を外気の温度より低くする場合はその差を著しくしないこと

湿度(%)

40以上 70以下

気流(m/s)

0.5以下

ホルムアルデヒドの量(mg/m3

0.1以下

Q10.洗浄してもう一度使用できるエアフィルタはありますか?

はい、あります。洗浄可能なエアフィルタは、水洗い、スプレー洗浄によって再生できます。(品番によっては再生できないものもあります。詳しくはフィレドン・エアフィルタのページをご覧ください。

Q11.高温雰囲気で使用できますか?

乾燥機、焼き付け炉など高温でフィルタを長期間使用する時は耐熱性のフィルタを用いてください。耐熱温度は使用時間によって異なりますが120~180℃用のAE-100 、180~240℃用のAI-100W、300℃以下用のPI-100Wがあります。

Q12.溶剤、酸、アルカリ、油などの化学薬品に対して耐久性はありますか?

一般的空調用途での耐久性はありますが使用環境によっては一部分の強酸、強アルカリ、溶解力の強い溶剤などによってフィルタの構成材料である繊維や接着剤が劣化することがあります。

Q13.かび、菌に対して抑制効果はありますか?

抗菌性や抗かび性を付与したフィルタもあります。

Q14.耐水性はありますか?

エアフィルタが少量の水に濡れた程度であれば、その水が乾燥すれば元の状態に戻りますので、特に問題が起こることはありません。雨水など大量の水がエアフィルタの表面に付着して水膜を生じますと、圧力損失が一時的に急上昇することがありますので、直接に水滴があたらないように使用する事が必要です。

Q15.耐圧性はどれくらいですか?

各エアフィルタごとに最終圧損値が定められています。その範囲内であれば耐圧性は問題ありません。最終圧損値を超えての利用の場合は、性能等に問題が生じます。

Q16.不織布エアフィルタのメッシュ、孔径はどれくらいですか?

不織布エアフィルタは3次元構造のため、メッシュや孔径で表すことはできません。
エアフィルタのろ過性能は、Q8に記載しているエアフィルタ試験法で表します。

Q17.最近よく耳にする脱臭フィルタとはどんなエアフィルタですか?

活性炭などの吸着剤をフィルタ層の内部にうめ込んだエアフィルタです。厨房臭、汚泥臭、排気ガス臭などの除去に効果があります。さらに気化した酸、アルカリ、溶剤などのガスにも対応したエアフィルタがありますのでご相談ください。

Q18.前の車の排気ガスが臭くてたまりません。自動車につけるエアフィルタはありますか?

カーエアコンに組み込まれた、車内に入る空気をきれいにするエアフィルタがあります。エアフィルタには花粉などを除去する除じん用フィルタ、排気ガスなどの臭いを除去する脱臭フィルタなどがあります。外気導入でエアコンを使用しても室内を快適に保てます。

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