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経皮吸収型全身製剤用支持体(メディカル資材本部)

貼る薬で 快適な生活を支える

薬は「飲む」から「貼る」へ

今、薬は「飲む」から「貼る」に発展していることをご存知ですか?
「経皮吸収型全身製剤」は、薬の成分を含んだフィルム形態のパッチを肌に貼ることで、薬の成分が肌を通して直接血液の中に吸収されるという薬です。簡単に言うと、貼るだけで薬の成分を体内に入れることができるということです。
その利点は、(1)消化器への負担を回避できたり、副作用を軽減したりできる(2)薬効成分を持続的に投与できる(3)苦い薬を飲むことや、注射による苦痛を回避できる(4)飲める水がなかったり、衛生管理が良くなかったりしても薬が投与できるなど。

フィルムと不織布の複合

現在、経皮吸収型全身製剤は、心臓病における血管を広げる治療や、がん治療時の痛みの緩和、また禁煙治療などに幅広く取り入れられています。
 経皮吸収型全身製剤の支持体には、貼付時の違和感をなくすため、より薄くより柔らかい素材が求められています。ただし、単に薄く柔らかくするのではなく、製剤としての取り扱い性や薬への影響がないことを考慮した設計が必要となります。
 そこで当社では、数ミクロンの薄いフィルムと10g/m2程度の軽い不織布を複合した支持体を開発しました。不織布が薬剤を保持し、薄いフィルムでも不織布の繊維が一定の質感を保つため、取り扱いやすい形状を維持することができます。ちなみに、これは当社の電気材料の生産技術を応用したものです。

これからは海外へ

経皮吸収型全身製剤の市場は、国内より米国・欧州などの海外で大きな市場があり、研究開発が活発に進められています。また、国内製薬メーカーも海外展開を積極的に進めています。そのため、当社は2011年に経皮吸収型全身製剤用支持体として米国FDAにドラッグマスターファイル※登録を行い、海外展開できる支持体を開発しています。 
また、経皮吸収型全身製剤は、衛生環境の整わない地域でのワクチン投与や治療にも、使用されることが期待されています。

  • 米国のドラッグマスターファイルとは…
    原薬の製造関連情報(材料、製造、加工、包装、保管、品質)にかかわるデータをあらかじめ米国の審査当局に登録しておく制度。
    これにより、原薬・添加剤メーカー(原料メーカー)のノウハウを守ると同時に、製薬メーカーの申請を円滑に進められるようにすることが可能となる。

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